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5GC教科書

世界最高品質の無料 5G Core オンライン教材

このサイトのゴールは「仕様書を要約すること」ではありません。 あなたが 5G Core Network(5GC)を 本当に理解し、自分の言葉で説明でき、実務で使えるようになること を最優先にした教科書です。

更新履歴

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なぜこのサイトを作ったのか(Why)

3GPP仕様書(TS 23.501 / TS 23.502 / TS 24.501 など)は正確ですが、初めて読む人にはとても難解です。用語が前提知識なしに登場し、「なぜそうなっているのか」がほとんど書かれていません。

一方、世の中の入門記事は分かりやすい代わりに、仕様の裏付けが弱く、実務でそのまま使うと誤解を生みます。

そこでこのサイトは、両者の良いとこ取りを目指します。

  • わかりやすさ … 図・表・例え話・短い段落。初心者でも読める。
  • 正確さ … 3GPP/RFC/ETSI/GSMA 等の公開仕様に基づき、参照は TS番号 + 章番号 まで明記。仕様に無い話は「実装依存」と明記。

すべての説明を Why(なぜ)→ What(何か)→ How(どうやって) の順で組み立てます。


このサイトを読むと何ができるようになるか(What)

できるようになること 具体例
5GCを説明できる AMF/SMF/UPF/AUSF/UDM などの役割を、人に説明できる
3GPP仕様を読める TS 23.501/23.502/24.501 を「どこに何が書いてあるか」わかる
Wireshark解析ができる NGAP/NAS/PFCP/HTTP2 のパケットを読み解ける
Call Flowを理解できる Registration や PDU Session Establishment の手順を追える
障害解析ができる どのNF・どのメッセージで失敗したかを切り分けられる
設計ができる SBA/Slice/QoS を要件から設計する勘所がわかる
ベンダー差異を理解できる 「仕様」と「実装依存」を区別できる

対象読者

このサイトは、次のような幅広い読者を想定しています。

  • 学生 … 通信ネットワークをこれから学ぶ人
  • 新入社員 … 通信業界(telecom)に入ったばかりの人
  • 通信エンジニア(telecom engineer) … ネットワーク全般の経験はあるがコアは初めての人
  • 4G EPC経験者 … EPCの知識を5GCへ橋渡ししたい人
  • 5GC開発者 … NFを実装・結合する人
  • 運用/検証担当者 … 障害解析・試験を行う人

初心者でも読めるように、専門用語は必ずその場で説明します。


学習の始め方(How)

読者のレベルに合わせて、次の入口を選んでください。

初心者の方(5GCの全体像から)

Level 1(5GC概要) から順に進むのがおすすめです。 まずは モバイルネットワーク概要(LTEまで) を読み、 続けて 5GC概要とSBA へ進むと全体像がつかめます。

経験者の方(4G EPC経験者・NWエンジニア)

下の「学習ロードマップ」で自分の位置を確認し、 手を動かして理解したい人は、各Levelのトピックから Registration(初回登録) や Handover(ハンドオーバー) など、 興味のある手順を選んでください。

特定の用語だけ調べたい方

NF名・Interface名・Protocol名をすぐ引きたいときは 辞典 をどうぞ。 AMF 等のNF個別ページ、N2 等のInterface個別ページも充実しています。


学習ロードマップ(Level 1 → Level 5 + Level ∞)

Level 1(5GC概要)から Level 5(応用/最新)まで、前提知識が積み上がる順に並べた5段階のロードマップです。さらに、Traceを読むときに効く細部を3GPP節番号レベルで深掘りする Level ∞(マニアック) を、Level 2 以降の好きなタイミングで読めるように用意しています。初めての方は Level 1 から順に、経験者は必要なLevelから入ってください。

flowchart TD
    L1["Level 1
5GC概要 / SBA / NF"] --> L2["Level 2
Registration / Auth / PDU Session"] L2 --> L3["Level 3
Mobility / Handover / Interworking / QoS"] L3 --> L4["Level 4
VoNR / Emergency / Slice / RedCap"] L4 --> L5["Level 5
Charging / Policy / NWDAF / Roaming / Rel17-18"] L2 -.-> LM["Level ∞
識別子 / PFCP / QoS / Policy / SBI 深掘り"] L1 -.- L1t["Mobile Network / LTE / Interface"] L2 -.- L2t["Security / セッション確立"] L3 -.- L3t["Idle / Connected / N26 / QoS"] L4 -.- L4t["Network Slice / 音声 / Fallback"] L5 -.- L5t["CAPIF / NEF / Analytics"]
  • Level 1 — 5GC概要


    モバイルネットワークの全体像と、5GCの土台となるアーキテクチャ(SBA)を理解する

    前提: なし(ここが出発点)

  • Level 2 — 基本手順(Registration / セッション)


    UEがネットワークに登録し、通信路(PDU Session)を確立するまでの基本手順を、Call Flowで追えるようになる

    前提: Level 1

  • Level 3 — モビリティ(Mobility)・QoS


    UEが移動しても通信が途切れない仕組み(Mobility/Handover)と、5G QoSモデルを理解する

    前提: Level 2

  • Level 4 — サービス/デバイス種別


    音声・緊急通報・ネットワークスライス等の主要サービスと、RedCap等のデバイス種別を理解する

    前提: Level 2。加えて、音声(VoNR/Emergency)は Level 3(モビリティ)の理解も推奨

  • Level 5 — 応用 / 最新リリース


    課金・ポリシー・データ分析・ローミング等の応用領域と、Rel-17/18の最新機能を俯瞰する

    前提: Level 1〜4(トピックにより異なる)

  • Level ∞ — マニアック


    識別子やAMF選択など、Traceを読むときに効いてくる細部を3GPP節番号レベルで深掘りする

    前提: Level 2 以上(トピックにより異なる)


Level 1 — 5GC概要

このLevelの進め方

4G/LTE の地図(モバイルネットワーク概要)から入り、5GC概要とSBA で 5GC の設計思想をつかみ、NF総論 と Interface / Protocol 総論 で構成部品を俯瞰する、という順がおすすめです。個別の NF・参照点は各詳細ページと辞典で深掘りできます。

Interface / Protocol の補足

N1(UE⇔AMF、NASを運ぶ論理的な参照点)/N2 は制御プレーン、N3(gNB–UPF)/N6(UPF–DN)はユーザプレーン、N4 は SMF–UPF 間(PFCP)です。 NFどうしが連携する SBI(Service-Based Interface、Namf/Nsmf/Nudm 等のサービスベースIF) が別途存在します(SBA/参照点モデルは TS 23.501 §4、SBI の HTTP/2 利用は TS 29.500 §5.2)。 ユーザプレーンのパケットは GTP-U でカプセル化され N3 上を運ばれます(TS 29.281、TS 23.501 §8.3)。


Level 2 — 基本手順(Registration / セッション)

このLevelの進め方

まず Registration(初回登録) で UE がネットワークに登録するまでを追い、続く認証・セキュリティ・PDU Session へ進むと、通信路が開くまでの一連の流れがつながります。各章に Call Flow図・Wireshark実例・理解度チェックがあります。QoS(5G QoSモデル)は Level 3 に配置しています。

認証とセキュリティの関係

Authentication(5G-AKA / EAP-AKA') と NAS/AS Security(鍵階層・暗号化・完全性保護) は別トピックですが、実際には Registration 手続きの中で Authentication → NAS Security Mode Control と連続して実行されます(TS 23.502 §4.2.2.2.2)。既に有効な 5G security context があれば認証が省略される場合があります(要確認)。加入者識別子は SUPI をそのまま送らず、公開鍵で秘匿した SUCI として送信されます(TS 33.501 §6.12 / Annex C、要確認)。


Level 3 — モビリティ(Mobility)・QoS

このLevelの進め方

まず Paging で「移動しても呼び出せる」仕組みをつかみ、Service Request / RRC Resume や登録更新系(Mobility / Periodic)へ広げます。続いて Handover で「移動しても切れない」仕組みを押さえ、その延長として 4G-5G Interworking(N26・EPS Fallback)へ進むと自然です。最後に QoS で 5G QoSモデルを整理します。ネットワークスライスは Level 4 の Network Slicing で扱います。

EPS Fallback とは

音声着発信時に UE を一時的に 4G(EPS)へ落として音声を成立させる EPS Fallback の手続きは TS 23.502 §4.13.6.1(枝番は 要確認)に規定されています。VoNR 未提供エリアでの音声成立手段として広く採用されていますが、適用可否はオペレータのポリシー・展開方針に依存します(実装依存)。


Level 4 — サービス/デバイス種別

このLevelの進め方

音声系(VoNR / Emergency / EPS Fallback / Emergency Fallback)は関連が深いのでまとめて読むと理解が進みます。VoNR が使えないときに一般音声を 4G へ落とすのが EPS Fallback、UEの緊急サービス要求を契機に緊急呼を 4G/E-UTRA へ移すのが Emergency Fallback です。制御プレーンで運ぶ SMS、用途別の論理ネットワークを扱う Network Slicing、デバイスカテゴリの RedCap は独立して読めます。

VoNR / Emergency は IMS 前提

VoNR と Emergency(音声)は IMS(IP Multimedia Subsystem) を前提とし、音声は QoS Flow と結びつきます(5QI=1: 会話音声、5QI=5: IMSシグナリング。TS 23.501 §5.7.4 標準化5QI表)。VoNRが使えないエリアでは EPS Fallback で音声を成立させます。

RedCap はサービスではなくデバイスカテゴリ

RedCap は SMS/VoNR のような 5GC が提供するサービスではなく、UE能力を削減したデバイスカテゴリ(Reduced Capability, Rel-17) です。低コスト・低消費電力の中位IoT向けに、帯域幅やアンテナ数などのUE能力を意図的に絞った端末種別を指します(UE能力の詳細は RAN側仕様 TS 38.306 / TR 38.875。RedCap章 参照)。


Level 5 — 応用 / 最新リリース

このLevelの進め方

応用領域は独立性が高いので、興味のあるトピックから読めます。課金・ポリシーは Charging / Policy、データ分析は NWDAF、事業者間連携は Roaming、外部公開は NEF・CAPIF、最新機能は Rel-17 & Rel-18、測位は Location Service が入口です。

Analytics と NWDAF の関係

Analytics(データ分析)と NWDAF は別項目に見えますが、NWDAF(Network Data Analytics Function)は Analytics を担う NF そのものであり、他NFへ分析結果を提供するサービスベースIF Nnwdaf を公開します(TS 23.288)。詳細は NWDAF章 を参照してください。


Level ∞ — マニアック

識別子・N2確立・登録・接続状態

セッション・UPF

QoS制御

ポリシー・外部公開

SBI・冗長構成


辞書的に引く

  • 用語をすぐ引く → 辞典(NF/Interface/Protocol 他 全16種)
  • NF・Interface の個別ページ → AMF / N2 など