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SEPP — Security Edge Protection Proxy

難易度: 中級 / 想定学習時間: 15分 / 関連NF: 全NF(PLMN間SBIの通過点), NRF / 関連Interface: N32(SEPP間), SBI

学習目標

  • SEPPの役割が PLMN間(事業者間ローミング)のSBIシグナリングの境界防御 であることを理解する。
  • 対向PLMNのSEPPと接続する N32インターフェース の位置づけを説明できる。
  • 内部NF構成を外部に晒さない トポロジ隠蔽 の考え方を理解する。
  • ローミング・事業者間相互接続においてSEPPがなぜ重要なのかを理解する。

前提知識

この章で学べること

  • Why: なぜローミング時に事業者網のエッジで境界防御が必要なのか。
  • What: SEPPが担う保護(完全性/機密性・トポロジ隠蔽・アクセス制御)とN32の役割。
  • How: 自網NFのSBI要求が自網SEPP → N32 → 対向SEPP → 相手網NF へと保護されて届くまで。

Why — なぜ必要なのか

ローミングでは、訪問先網(VPLMN)と帰属網(HPLMN)の間で他事業者網とSBIメッセージをやり取りします。しかし、内部のNF構成や資格情報をそのまま外部の事業者網に晒すのは危険です。事業者網の外縁(エッジ)で、相手事業者との通信を受け止め、保護し、内部構造を隠蔽する「門番」が必要になります。SEPPはこの役割を担います。

例え話: SEPPは事業者網の「国境の税関・防壁」です。SEPPが無いと、事業者間で内部トポロジ(どのNFがどこにあるか)や資格情報が露出してしまい、攻撃の足がかりを与えてしまいます。

Overview — 概要

VPLMNのNFが相手網(HPLMN)のNFへSBI要求を送る際、まず自網のSEPPがそれを受け止めます。自網SEPPは、N32インターフェースを通じて相手網のSEPPへメッセージを保護して伝送します。相手網のSEPPはこれを復元し、相手網のNFへ届けます。この過程でSEPPは、トポロジ隠蔽(内部NF構成を外部に見せない)、完全性/機密性保護(改ざん・盗聴からの保護)、アクセス制御(許可された相手・メッセージのみ通過)を提供します。

Basic Concept — 初心者向け説明

SEPPは、事業者網の「国境の窓口」だと考えると分かりやすいです。国内(自網)の各部署(NF)が外国(相手事業者網)の部署とやり取りするとき、直接やり取りさせるのではなく、国境の税関を必ず通します。税関では、中身(メッセージ)が改ざんされていないかを守り、国内の詳しい地図(内部トポロジ)は隠したまま、相手国の税関(対向SEPP)とだけ安全にやり取りします。こうして、内部の構造を見せずに、必要な通信だけを安全に通すのがSEPPの窓口です。

Network Function 詳細

項目 内容
役割 PLMN間(事業者間ローミング)のSBIシグナリングの境界ゲートウェイ。エッジでSBIメッセージを受け止め、保護・隠蔽して対向SEPPと中継する。
保持情報 対向PLMN/SEPPとのセキュリティ関連情報、N32コンテキスト、保護ポリシー。
利用する主なAPI 自網NFからのSBI(網内接続)、対向SEPPとのN32(PLMN間)。
提供するAPI N32メッセージ転送/保護(N32-c 制御・N32-f 転送)、トポロジ隠蔽(TS 29.573 参照、詳細は要確認)。
関連Interface N32(SEPP間)、SBI(自網NFとの接続)。
障害時の影響 PLMN間シグナリング(ローミング)が不可になる。自網内通信には影響しない(=影響はローミング/相互接続に限定される)。

Architecture

flowchart LR
    vNF["VPLMN NF"] -->|SBI| vSEPP["SEPP (VPLMN側)"]
    vSEPP -->|N32| hSEPP["SEPP (HPLMN側)"]
    hSEPP -->|SBI| hNF["HPLMN NF"]

図の読み方: VPLMN側のNFが送るSBI要求は、まず自網のSEPP(VPLMN側)が受け止め、N32を通じてHPLMN側のSEPPへ保護伝送されます。HPLMN側のSEPPが復元して自網のNFへ届けます。事業者間の境界を必ずSEPPが通過点として守っている点が要点です。

Interface

Interface 接続 役割
N32 SEPP ⇔ SEPP(対向PLMN) PLMN間SBIの保護中継。
SBI 自網NF ⇔ SEPP 網内接続。

詳細はInterface辞典を参照してください。

Procedure での登場

ローミング時の認証やPDUセッション確立などで、VPLMNのNFがHPLMNのNF(AUSF/UDM/SMF等)へアクセスする際、そのSBIはSEPPを経由してN32を通ります。関連する手順はAuthenticationSecurityを参照してください。なお、ローミング時の具体的な手順・呼フローの詳細は要確認です。

EPCとの比較

4G/EPCでは、Diameter Edge Agent(DEA)やIPX/Diameter相互接続がローミングシグナリングの境界を担っていました。5GではSBIがHTTP/2ベースになったことに伴い、SEPPがSBI向けの境界としてN32インターフェースで標準化されています(詳細は要確認)。

世代 境界要素
4G/EPC DEA / IPX(Diameter相互接続)
5G/5GC SEPP(N32)

Release差分

  • Rel-15: 基礎(SEPP/N32/PRINS の導入)。
  • Rel-16/17: 拡張は要確認。

3GPP Specification

  • TS 23.501 §6.2.17 でSEPP定義
  • TS 33.501 = セキュリティ(N32保護/PRINS)(該当章は要確認)
  • TS 29.573 = N32(PLMN間相互接続)(個別章番号は要確認)

Summary

  • SEPPは PLMN間(事業者間ローミング)のSBIシグナリングの境界ゲートウェイ である。
  • 対向PLMNのSEPPとは N32 インターフェースで接続し、メッセージを保護中継する。
  • トポロジ隠蔽 により、内部NF構成を外部の事業者網に晒さない。
  • 保護内容は完全性/機密性・アクセス制御を含む(PRINS/TLSは名称のみ、詳細は要確認)。
  • 障害時の影響は ローミング/相互接続に限定 され、自網内通信には影響しない。

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