コンテンツにスキップ

CHF — Charging Function

難易度: 中級 / 想定学習時間: 15分 / 関連NF: SMF(主な課金トリガ源), PCF / 関連Interface: SBI(Nchf)

学習目標

  • CHFの中心的な役割が5GCにおける課金(Charging)であることを理解する。
  • オンライン課金(残高管理・与信/Quota割当)とオフライン課金(利用実績記録・CDR生成)の違いを説明できる。
  • Converged Charging(オンライン/オフラインを1つのNFで統合的に扱う)という5Gの特徴を理解する。
  • SMFを主な課金トリガ源とするCHFとの連携の流れを把握する。

前提知識

この章で学べること

  • Why: 通信事業者が利用量・時間・サービスに応じて課金するために、CHFがなぜ必要なのか。
  • What: CHFがオンライン/オフライン課金をConverged Chargingとして統合的に処理し、CDRを生成すること。
  • How: SMF等からの課金要求を受け、CHFがQuota付与・残高減算・利用実績記録を行い、課金システムへ情報を渡す流れ。

Why — なぜ必要なのか

通信事業者は、データ利用量・利用時間・利用サービスに応じて加入者へ課金する必要があります。前払い(プリペイド)では残高を管理して与信を行い、後払い(ポストペイド)では利用実績を正確に記録します。この双方を扱う仕組みが不可欠であり、5GCではCHFがその中心を担います。

例え話: CHFは通信の「料金メーター+会計係」です。どれだけ使ったかを計測し、残高が足りているかを確認し、利用実績を帳簿に記録します。CHFが無いと、利用に応じた課金や与信(使ってよいかの判断)ができません。

Overview — 概要

SMFがPDUセッションの利用量を報告すると、CHFはこれを受けて課金処理を行います。オンライン課金では利用に先立ってQuota(利用可能量)を付与し、消費に応じて残高を減算します。オフライン課金では利用実績を記録します。そのうえでCDR(Charging Data Record)を生成し、CGF(Charging Gateway Function)や課金システムへ渡します。

Converged Chargingとは、こうしたオンライン課金とオフライン課金を1つのNF(CHF)で統合的に扱う仕組みであり、5Gの課金アーキテクチャの特徴です。

Basic Concept — 初心者向け説明

CHFはお店の「会計係」に例えられます。プリペイドカードで買い物をするお客さんには、残高が足りているかをチェックしながら(オンライン課金)、同時にレジの記録として何をいくつ買ったかを帳簿に残します(オフライン課金)。この2つの仕事を1人の会計係がまとめて行うのがConverged Chargingのイメージです。通信の世界では、この「使用量チェック」と「記録」をCHFが担います。

Network Function 詳細

項目 内容
役割 5GCの課金処理(オンライン課金・オフライン課金)を統合的に担う
保持情報 課金セッション、Quota/残高情報、利用量カウンタ、課金レコード
利用する主なAPI NRF Discovery(他NF/自身の発見・登録)等
提供するAPI Nchf_ConvergedCharging(Create/Update/Release)、Nchf_SpendingLimitControl(PCFが残高ベースのポリシー制御に利用) — TS 32.290/32.291
関連Interface SBI(Nchf)
障害時の影響 課金処理が不可となる。オンライン課金に依存する構成では通信可否にも影響し得る(=ポリシー次第。要確認)

Architecture

flowchart LR
    SMF["SMF (利用量報告)"] -->|"Nchf_ConvergedCharging"| CHF["CHF (課金処理)"]
    PCF["PCF (ポリシー制御)"] -->|"Nchf_SpendingLimitControl"| CHF
    CHF -->|"CDR"| CGF["CGF (課金システム)"]

図の読み方: SMFがPDUセッションの利用量をCHFへ報告し(Nchf_ConvergedCharging)、CHFがオンライン/オフライン課金を処理します。PCFは残高ベースのポリシー制御のためにNchf_SpendingLimitControlでCHFの情報を参照します。CHFは処理結果としてCDRを生成し、CGF(課金システム)へ渡します。

Interface

Interface 接続 主な用途
SBI(Nchf) SMF/PCF ⇔ CHF 課金要求・残高制御

詳細はInterface辞典を参照してください。

Procedure での登場

PDUセッションの確立/変更/解放時に、SMFがCHFへ課金セッションを開始/更新/終了します。またQoS変更などで課金レートが変わる場合にも、SMFからCHFへの課金更新が発生し得ます。手順の詳細はPDU SessionおよびPDU Session Modification / Releaseを参照してください(具体的なメッセージ順序は要確認)。

EPCとの比較

4G/EPCでは、オンライン課金はOCS(Online Charging System、Gy/Ro)オフライン課金はOFCS(Offline Charging System、Gz/Rf)として、別々のシステム・Interfaceに分離されていました。5GではCHFがConverged Chargingとして両者を統合的に扱う点が特徴です(統合の詳細は要確認)。

世代 課金の担い手
4G/EPC OCS(オンライン)+ OFCS(オフライン)に分離
5G/5GC CHF(オンライン/オフラインを統合)

Release差分

  • Rel-15: Converged Chargingの基礎が定義され、CHFによるオンライン/オフライン統合課金が導入。
  • Rel-16/17: 課金機能の拡張が段階的に規定(具体的な差分は要確認)。

3GPP Specification

  • TS 32.240 — 課金アーキテクチャ(Charging architecture)
  • TS 32.290 — 5G課金サービス(Nchf)(個別章番号は要確認)
  • TS 32.291 — Nchf_ConvergedCharging API(要確認)
  • TS 23.501 — CHFはTS 23.501 §6.2に独立した節を持たず、定義・課金アーキテクチャは課金系Spec(TS 32.240/32.290 等)に記述される(NF辞典 と整合)

Summary

  • CHFは5GCの課金(Charging)を担う中心NFである。
  • オンライン課金(残高管理・Quota割当)とオフライン課金(利用実績記録・CDR生成)を扱う。
  • これらを1つのNFで統合的に処理するConverged Chargingが5Gの特徴。
  • 4G/EPCのOCS(オンライン)とOFCS(オフライン)が、5GではCHFに統合された。
  • SMFを主な課金トリガ源として連携し、PCFはNchf_SpendingLimitControlで残高ベースのポリシー制御を行う。

Next Step