CHF — Charging Function¶
学習目標¶
- CHFの中心的な役割が5GCにおける課金(Charging)であることを理解する。
- オンライン課金(残高管理・与信/Quota割当)とオフライン課金(利用実績記録・CDR生成)の違いを説明できる。
- Converged Charging(オンライン/オフラインを1つのNFで統合的に扱う)という5Gの特徴を理解する。
- SMFを主な課金トリガ源とするCHFとの連携の流れを把握する。
前提知識¶
- SMF/PDUセッションの基礎 → SMF
- SBA/SBIの考え方 → カリキュラム
- Interfaceの全体像 → Interface辞典
この章で学べること¶
- Why: 通信事業者が利用量・時間・サービスに応じて課金するために、CHFがなぜ必要なのか。
- What: CHFがオンライン/オフライン課金をConverged Chargingとして統合的に処理し、CDRを生成すること。
- How: SMF等からの課金要求を受け、CHFがQuota付与・残高減算・利用実績記録を行い、課金システムへ情報を渡す流れ。
Why — なぜ必要なのか¶
通信事業者は、データ利用量・利用時間・利用サービスに応じて加入者へ課金する必要があります。前払い(プリペイド)では残高を管理して与信を行い、後払い(ポストペイド)では利用実績を正確に記録します。この双方を扱う仕組みが不可欠であり、5GCではCHFがその中心を担います。
例え話: CHFは通信の「料金メーター+会計係」です。どれだけ使ったかを計測し、残高が足りているかを確認し、利用実績を帳簿に記録します。CHFが無いと、利用に応じた課金や与信(使ってよいかの判断)ができません。
Overview — 概要¶
SMFがPDUセッションの利用量を報告すると、CHFはこれを受けて課金処理を行います。オンライン課金では利用に先立ってQuota(利用可能量)を付与し、消費に応じて残高を減算します。オフライン課金では利用実績を記録します。そのうえでCDR(Charging Data Record)を生成し、CGF(Charging Gateway Function)や課金システムへ渡します。
Converged Chargingとは、こうしたオンライン課金とオフライン課金を1つのNF(CHF)で統合的に扱う仕組みであり、5Gの課金アーキテクチャの特徴です。
Basic Concept — 初心者向け説明¶
CHFはお店の「会計係」に例えられます。プリペイドカードで買い物をするお客さんには、残高が足りているかをチェックしながら(オンライン課金)、同時にレジの記録として何をいくつ買ったかを帳簿に残します(オフライン課金)。この2つの仕事を1人の会計係がまとめて行うのがConverged Chargingのイメージです。通信の世界では、この「使用量チェック」と「記録」をCHFが担います。
Network Function 詳細¶
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 役割 | 5GCの課金処理(オンライン課金・オフライン課金)を統合的に担う |
| 保持情報 | 課金セッション、Quota/残高情報、利用量カウンタ、課金レコード |
| 利用する主なAPI | NRF Discovery(他NF/自身の発見・登録)等 |
| 提供するAPI | Nchf_ConvergedCharging(Create/Update/Release)、Nchf_SpendingLimitControl(PCFが残高ベースのポリシー制御に利用) — TS 32.290/32.291 |
| 関連Interface | SBI(Nchf) |
| 障害時の影響 | 課金処理が不可となる。オンライン課金に依存する構成では通信可否にも影響し得る(=ポリシー次第。要確認) |
Architecture¶
flowchart LR
SMF["SMF (利用量報告)"] -->|"Nchf_ConvergedCharging"| CHF["CHF (課金処理)"]
PCF["PCF (ポリシー制御)"] -->|"Nchf_SpendingLimitControl"| CHF
CHF -->|"CDR"| CGF["CGF (課金システム)"]
図の読み方: SMFがPDUセッションの利用量をCHFへ報告し(Nchf_ConvergedCharging)、CHFがオンライン/オフライン課金を処理します。PCFは残高ベースのポリシー制御のためにNchf_SpendingLimitControlでCHFの情報を参照します。CHFは処理結果としてCDRを生成し、CGF(課金システム)へ渡します。
Interface¶
| Interface | 接続 | 主な用途 |
|---|---|---|
| SBI(Nchf) | SMF/PCF ⇔ CHF | 課金要求・残高制御 |
詳細はInterface辞典を参照してください。
Procedure での登場¶
PDUセッションの確立/変更/解放時に、SMFがCHFへ課金セッションを開始/更新/終了します。またQoS変更などで課金レートが変わる場合にも、SMFからCHFへの課金更新が発生し得ます。手順の詳細はPDU SessionおよびPDU Session Modification / Releaseを参照してください(具体的なメッセージ順序は要確認)。
EPCとの比較¶
4G/EPCでは、オンライン課金はOCS(Online Charging System、Gy/Ro)、オフライン課金はOFCS(Offline Charging System、Gz/Rf)として、別々のシステム・Interfaceに分離されていました。5GではCHFがConverged Chargingとして両者を統合的に扱う点が特徴です(統合の詳細は要確認)。
| 世代 | 課金の担い手 |
|---|---|
| 4G/EPC | OCS(オンライン)+ OFCS(オフライン)に分離 |
| 5G/5GC | CHF(オンライン/オフラインを統合) |
Release差分¶
- Rel-15: Converged Chargingの基礎が定義され、CHFによるオンライン/オフライン統合課金が導入。
- Rel-16/17: 課金機能の拡張が段階的に規定(具体的な差分は要確認)。
3GPP Specification¶
- TS 32.240 — 課金アーキテクチャ(Charging architecture)
- TS 32.290 — 5G課金サービス(Nchf)(個別章番号は要確認)
- TS 32.291 — Nchf_ConvergedCharging API(要確認)
- TS 23.501 — CHFはTS 23.501 §6.2に独立した節を持たず、定義・課金アーキテクチャは課金系Spec(TS 32.240/32.290 等)に記述される(NF辞典 と整合)
Summary¶
- CHFは5GCの課金(Charging)を担う中心NFである。
- オンライン課金(残高管理・Quota割当)とオフライン課金(利用実績記録・CDR生成)を扱う。
- これらを1つのNFで統合的に処理するConverged Chargingが5Gの特徴。
- 4G/EPCのOCS(オンライン)とOFCS(オフライン)が、5GではCHFに統合された。
- SMFを主な課金トリガ源として連携し、PCFはNchf_SpendingLimitControlで残高ベースのポリシー制御を行う。